具体的な研究の進め方

既に成熟している分野ではなく、新しい領域に挑戦していくことは容易ではありませんが、それだけやり甲斐もあります。 また、研究内容そのものだけでなく、その挑戦の経験は皆さんの将来に必ず役立ってくれるであると考えています。 ここでは、テーマを途中で変えない場合の、井村研での具体的な研究の進め方を説明します。 もちろん修士課程や博士課程から所属してくる学生も時間スケールが違うだけで研究の流れは同じです。

学部学生

テーマの方向性そのものはアイデアを出し合い、議論して決定していくことになります。 修士課程学生の下請け的な研究テーマにはしないで、独自の新しいテーマを設定します。 つぎに、その新しい分野の前提知識を勉強することから始めます。 スタッフも専門家でないことがほとんどなので、一緒に教科書や論文の読み合わせをしていくことになるでしょう。 卒業論文の課題は、その分野の未解決問題の中で、比較的直接的に制御理論的手法を適用できるものを探していきます。 とはいえ、学部の授業の知識だけでこうした問題を定めていくことは難しいことはもちろん、スタッフにとっても毎回未知の作業なので、知恵を出し合い突破口を探します。 提案した手法の有効性は、シミュレーションにより検証します。

修士課程学生

卒業研究での勉強や修士課程の授業などを通して、本格的な研究に必要な知識も身につくはずです。 そこで、その分野に新しい問題を設定し、新たな手法を提案することを目標に自分で研究を進めてもらいます。その分野の専門家がコラボレータとしていることも多いので、いろいろな手掛かりも得られるでしょう。

また、修士課程の間に少なくとも1回は学会で発表することを推奨しています。 理系の学生として、説得力のある文章・プレゼンテーションの訓練を積んでから卒業して欲しいからです。

博士課程学生

博士課程での研究には決まった方針というものはありません。 修士課程での研究を続けてもいいですし、そこで得られた新しい考え方を制御理論に逆に生かしてもいいし、存分にオリジナリティを発揮してください。 国際会議で発表する機会もありますので、是非とも頑張って下さい。

これまでの博士課程学生の研究実績